ただ、申し訳ないがボロボロの身体とは言え球速118キロ、という現状には愕然としてしまった。
同学年の藤川球児投手が昨年、150キロに迫る快速球を維持したまま颯爽とマウンドから去っていったのとはあまりに対照的である。
素人が申し訳ないが、独学の知識を元に少しだけ検証させて頂きたい。

高校時代から6年前までの変遷

 
僕としては高校時代からデビュー戦。更に言えば渡米前の数年が最良のしなやかさを誇っていたと思う。
ただ、この頃から不安要素はあった。
必ずしも目視で常にはっきりわかる訳ではないが、常に彼の投球時の力の流れには、全身の縦回転と横回転の要素が共存していたと思う。
悪いことではない。あのメジャー120勝の野茂英雄投手もその系統だ。
上手く噛み合えば2つの力が融合して、全盛期のようなパフォーマンスを発揮できる。
だが…。これを成立させるには条件がある。
そう、まず下半身。それもヒップ、腿裏のアクセル筋、内転筋群をダッシュ系メニューを中心に20代の早い段階で鍛え込み、全盛期江川、野茂両投手くらいのレベルを目指して傾注するべきであったと考えるのである。
まあ、初動負荷トレーニングに縁があれば1番よかったのですが。
だが実際には、メジャーを目指すとなってからも渡米後も、本人なりの考えあってのことだろうが、上半身、肩周りだけならまだしも腕周りもセットで太くしてしまうトレーニングに傾注してしまったようだ。
そしていざメジャー、レッドソックスに来ると、ボールの大きさ、それ以上に硬いマウンドに戸惑うこととなる。
それまで売りであった割と大きく踏み込んで、地面を抉るような下半身の力をボールに伝える、と言うフォームが使えなくなったと感じてしまったのだろう。

泥縄式にフォームを変え、試行錯誤しながらも最初は数字を残したのはさすがだが、これが本来の姿ではないと本人もファンも感じていたと思う。
2009年のWBCではツーシームを使い分け、日本代表連覇に貢献したが、なんか本来の姿と違うと感じたのは僕だけではなかったろう。

その後、案の定と言うべきか、右肘のトミー・ジョン手術。
紆余曲折を経てメッツで中継ぎ中心の登板。
しかし、とくにこの終わり頃、それなりにフォームは結果共々安定して来ている様に思える。
思うに、全身を連動させた横回転中心の「メジャー型松坂」完成の入り口にようやく立ちかけていたように思う。
だので、僕はここで、もう2.3年頑張っていれば…と言う思いがある。

しかし松坂投手は、結局2015年からのNPBソフトバンクの大型契約に応じてしまう。
「こんな契約はもうメジャーじゃ望めないから、アナタ一人で日本に戻って頑張ってきて」
…と奥様に言われたのかどうかは定かでないが…。

最終的に、松坂投手はソフトバンク最初のキャンプで再度日本型に寄せたフォームに戻そうとして、またバランスを崩してしまい、横殴りの手投げや、妙な投げ上げのようなフォームに…要するにメカニクスが壊れてしまい、故障禍の連鎖に見舞われ…。
あとは皆様の知る通りである

惜しむらくは、入団早期に小山裕史先生か、手塚一志さんに出会うかして、イチロー氏やダルビッシュ投手のように、一貫した、確固たる投球、トレーニング哲学の元で精進できていれば…
と言ったところか。
よく体重増が頻繁に言われたが、故障や不調の迷路にハマったストレスの中では仕方ないかなあ
とも思う。


色々書きましたが、確かに彼は鮮烈な一時代を築いた平成の怪物。
夢をありがとうございました。

未完の夢は、3つ年上の僕が。